テニスの王子様ベストゲームを観てきて感じたこと

ネタバレを含みます。ご注意ください。

私個人が感じたことであって、皆様がどう思われるかは皆様の主観にかかっています。

 

初めに、私はアニプリ放送初回でテニスの王子様を知った、所謂古参ファンというやつです。

当時は小学生で、毎週水曜日19時が楽しみで、DVDデッキのHDDに録画して、おそらく今でもセリフ全部言えるんじゃないかと思うくらいに繰り返し観ていました。

当時は今のようにYouTubeが普及してるわけでもなく、スマートフォンがあるわけでもなく、初めて携帯電話を買ってもらった時にはテレビ画面の写真を撮って、今では笑ってしまうくらいに画質の悪い写真を待ち受けにして、着ボイスにはお金がかかるし、パケ放題じゃないからDLも出来ないし、テレビの音声を録音して、ガサガサのノイズ入りボイスを繰り返し繰り返し聞いていました。

それくらい、大好きで大好きで堪らない作品です。

 

今回映画を観て、ふと思ったことがありました。

「この作品、新テニからテニプリを知ったような比較的新しいファンには違和感しかないのでは…?」

 

今でこそ、誰もしたことのない展開や、私はこの言い方が本当に嫌いなんですけど、俗に言う「テニヌ」というプレイをするようになったキャラクターたちですが、今劇場で放映されている手塚と跡部の試合は、当時、ただただハイクオリティなテニスの試合でした。

 

青学以外の学校は「ライバル校」と呼ばれています。文字通り、ライバル。好敵手。

お互いを意識して、切磋琢磨して。新テニでは学校の垣根をこえて仲間になって。お互いを認めあうような関係が描かれています。ライバル校の人気はすさまじく、青学が人気で圧倒されるほどです。

 

ただ、アニプリがリアルタイムで放送されていた頃。青学は圧倒的主人公で、その他の学校は敵校だったなと思います。好敵手ではなく、敵。

なかなか例を見ないテニス漫画ということを除いて、展開だけで言うなら「少年ジャンプ」の超王道。とんでもなく強い敵が次々と現れて、圧倒的な強さに立ち向かっていく主人公たち。

戦いの後は、お互いに相手の強さをたたえ、認めあう関係。

 

だから、子どもたちはハラハラして、次は青学が負けてしまうんじゃないだろうか。でもリョーマはきっと勝ってくれる!とどきどきしながら毎週楽しみにしていました。

 

当たり前なんですけど、勝負がつくまで、敵は敵でなければいけない。

だから当時、氷帝学園は恐ろしい敵でした。杏ちゃんをナンパして、ストリートテニスをバカにして、最強手塚部長の肩を壊す!?って。とんでもない敵キャラです。

 

でもあの試合の中で跡部が変わって、凄い試合を観て、敵と主人公が認めあって、ようやく氷帝学園を肯定できたのです。

 

そこで初めの疑問に戻るのですが、比較的新しいテニスの王子様ファンは、好きになったきっかけは色々あると思うのですが、圧倒的人気のライバル校の存在を知ってから好きになった方も多いのではないでしょうか。

 

テニクラじゃなくても知っているくらい社会現象になる「跡部様」は特にそうじゃないかと思います。

200人の部員を纏める、現実世界でもとんでもない経済効果をもつ、カリスマ的存在な「跡部様」。

 

敵だった頃よりも先に「跡部様」である跡部を知ってからテニスの王子様ファンになった方にとって、敵ではなく好敵手。

ライバル校は主人公校の腕を認めて悔しがることはあっても、同じテニスをする仲間だと信じているような存在。

 

テニスの王子様はまさにそうで、だからこそリメイクされたベストゲームはどう表現されるんだろうと緊張していました。

 

そして迎えた初日。一気に当時へ戻されてしまうほど、圧倒的に「敵」な氷帝学園。これこれこれ〜〜〜!!!となりながら、「これ、当時を知らないファンの方って違和感しかなさそう」と感じてしまいました。

 

いやあ、凄かったです。ここまで敵として描けるの本当に凄い。

だからこそ、新規ファンの方々がどう感じるのか知りたいと思って次の上映までの待ち時間でこれを書きました。

 

2日目3本目のベストゲーム、また違う視点で楽しんできます。